ご尊父とは?意味・読み方・使い方
更新:2026-10-28

ご尊父(ごそんぷ)とは、相手のお父さんを敬って言う言葉です。「尊父」に「ご」をつけた形で、手紙や弔電などの改まった場面で使います。自分の父には使わず、自分の父は「父」「実父」などと言います。話し言葉では「お父様」を使うほうが自然です。手紙では「お父様」と書いても失礼にはなりません。
ご尊父の意味
尊父(そんぷ)は、他人の父を敬っていう語です。辞書では、「ご(御)」をつけると敬意が重なるものの、書き言葉では多く使われると説明されています。「ご尊父」「ご尊父様」の形で使うのがふつうです。
あなたから見た道筋で言うと、使う相手は「相手の人→その人の父」です。取引先の部長のお父さん、友人のお父さん、結婚相手のお父さんなど、目上でも同年代でも、相手の父を立てたいときに使います。
話し言葉では「お父様」「お父さん」で十分に丁寧です。「ご尊父」は少し硬い言い方なので、手紙、メール、弔電、あいさつ状などの、かしこまった文章で使われることが多いです。
「尊父」は、親等や血族・姻族といった親族の分類とは関係なく、相手の家族を敬う言葉(敬称)です。親族の分類ではなく、言葉づかいの話であることに注意してください。
漢字の書き分けと読み方
尊父の読みは「そんぷ」です。「尊」は、尊い・敬うという意味で、「父」を敬う言葉に使われます。「ご尊父」は「ごそんぷ」、「ご尊父様」は「ごそんぷさま」と読みます。
- ご尊父:ごそんぷ。相手の父を敬う言い方。
- ご尊父様:ごそんぷさま。さらに丁寧に「様」を添えた形。
- お父様:おとうさま。話し言葉・手紙どちらにも使える。
- 父君(ちちぎみ):古風な敬称。
- ご岳父:ごがくふ。妻の父を敬う言い方。
「ご尊父様」は、「ご」と「様」で敬意が重なる、いわゆる二重敬語に近い形です。辞書でも重複が指摘されていますが、手紙の宛名や弔電では定着していて、広く使われています。気になる人は、「ご尊父」だけにするか、「お父様」を使うと無難です。
「ご尊父」と間違えやすいのが「ご岳父」です。岳父(がくふ)は、妻の父を指す言葉です。「ご尊父」は相手の父全般、「ご岳父」は相手の妻の父という違いがあります。くわしくは「ご岳父・ご岳母」のページを見てください。
会話・手紙での呼び方
ご尊父は、次のような場面で使います。例文は自由に使えます。
| 場面 | 例文 |
|---|---|
| 弔電 | 「ご尊父様のご逝去を知り、謹んでお悔やみ申し上げます」 |
| お見舞いの手紙 | 「ご尊父様のご容体が一日も早く回復されますよう、お祈りいたします」 |
| お祝いの手紙 | 「ご尊父様もさぞお喜びのことと存じます」 |
| 年賀状・寒中見舞い | 「ご尊父様にもどうぞよろしくお伝えください」 |
| 会話(改まった場) | 「お父様はお元気でいらっしゃいますか」(話し言葉では「お父様」が自然) |
| メール | 「ご尊父様の件、承知いたしました」 |
弔電や香典袋の添え状では、「ご尊父様」と書くのが一般的です。お悔やみの言葉は定型の言い回しが多いので、手元の例文を参考にしても構いませんが、相手との関係に合わせて一言足すと気持ちが伝わります。
話し言葉では、「ご尊父様」と声に出して言うと硬く聞こえる場面もあります。電話や対面では「お父様」にすると、自然で丁寧です。ビジネスでも、書面は「ご尊父様」、口頭は「お父様」と使い分ける人が多くいます。
よくある間違い
- 自分の父に「ご尊父」を使う間違い。ご尊父は相手の父を敬う言葉で、自分の父には「父」「実父」などを使います。
- 「ご尊父」と「ご岳父」を混同する間違い。ご岳父は妻の父を指す言葉で、一般的な相手の父には「ご尊父」を使います。
- 相手の母に「ご尊父」を使う間違い。相手の母は「ご母堂」「お母様」です。
- 会話で「ご尊父様」を連発する間違い。話し言葉では「お父様」のほうが自然です。
- 「尊父」を親等の言葉と思う間違い。敬称であり、血族・姻族の分類とは別の話です。
相手の家族・自分の家族の使い分け表
敬称と謙称(自分の家族をへりくだる言い方)は、セットで覚えると間違いません。父について整理します。
| 相手の家族を言うとき(敬称) | 自分の家族を言うとき | |
|---|---|---|
| 父 | ご尊父様・お父様 | 父・実父 |
| 母 | ご母堂様・お母様 | 母・実母 |
| 夫 | ご主人様・旦那様 | 夫・主人 |
| 妻 | ご令室様・奥様 | 妻・家内 |
| 息子 | ご子息様・ご令息様 | 息子・愚息 |
| 娘 | ご息女様・ご令嬢様 | 娘・愚女 |
同じ人を指していても、相手の側に立つか、自分の側に立つかで言葉が変わります。手紙の中で、相手のお父さまには「ご尊父様」、自分の父には「父」と書き分けるのが基本です。
相手の父を表す敬称の比べ方
| 言い方 | 印象 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ご尊父様 | 硬く改まった | 弔電、お見舞い状、ビジネスの手紙 |
| お父様 | やわらかく丁寧 | 会話、メール、友人あての手紙 |
| お父上(おちちうえ) | やや古風 | 手紙、目上へのあいさつ |
| 父君(ちちぎみ) | 古風で文学的 | 文章表現、挨拶文の飾り |
| お父さん | 親しみがある | 家族ぐるみの付き合い、近しい相手 |
相手との距離と場面に合わせ、一段階だけ丁寧にするくらいがちょうどよい目安です。ビジネスの席で相手の父に触れるときは「お父様」で十分なこともあります。
長めの例文(弔電・お見舞い)
弔電の例:「ご尊父様のご逝去の報に接し、驚きと悲しみでいっぱいです。生前のご厚情に感謝するとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。ご遺族の皆様のご心痛はいかばかりかと拝察いたしますが、どうかお力を落とされませんように」
お見舞い状の例:「ご尊父様のご入院を伺い、心配しております。ご家族の皆様もお疲れのことと存じます。どうぞお体に気をつけてお過ごしください。一日も早いご快復を、心よりお祈り申し上げます」
お祝いの例:「ご尊父様の喜寿を迎えられるとのこと、おめでとうございます。いつまでもお元気でお過ごしくださいますよう、お祈りしております」
弔事では、死や不幸を連想させる言葉(重ね言葉の「重ね重ね」「くれぐれも」など)を避けるといわれます。ただし、地域や家の考え方で違うので、相手の家のしきたりを確認できる場合は従ってください。
手紙・メールでの書き方の工夫
- 宛名が相手本人のときは「ご尊父様」のほかに、「お父上様」も使われる
- 同じ文章で何度も「ご尊父様」と書かず、2回目以降は「お父様」にすると読みやすい
- 「ご尊父様におかれましては」の形は、丁寧すぎて硬く感じる人もいるので、通常は「ご尊父様は」でよい
- 身内だけのやりとりでは、「お父さん」で十分
- 相手の年齢や立場が分からないときは、「お父様」に統一しておけば失礼になりにくい
宛名に使うときは、本人宛の封筒に「ご尊父様」とは書きません。封筒の宛名は相手本人の名前にし、ご尊父様は本文の中で触れるのが基本です。ただし、遺族への弔電では喪主の名前を宛名にし、本文でご尊父様と書きます。
弔事で宗教や地域のしきたりが関わるときは、相手の家の習慣に合わせてください。迷ったときは、喪主や葬儀社に確認するのが確実です。
よくある質問
- Q. ご尊父の読み方は?
- 「ごそんぷ」です。「ご尊父様」は「ごそんぷさま」と読みます。
- Q. ご尊父の意味は?
- 相手のお父さんを敬って言う言葉です。手紙や弔電などの改まった場面で使います。
- Q. ご尊父様は二重敬語ですか?
- 「ご」と「様」で敬意が重なるため、重複が指摘されることがあります。ただし、手紙や弔電では広く定着した形です。気になる場合は「ご尊父」か「お父様」にすれば無難です。
- Q. ご尊父とご岳父の違いは?
- ご尊父は相手の父、ご岳父は相手の妻の父を敬う言葉です。ご岳父は、妻の父を指す「岳父」に「ご」をつけた形です。
- Q. 亡くなった相手のお父さんにも「ご尊父」を使えますか?
- 使えます。弔電やお悔やみの手紙では、亡くなった方に対しても「ご尊父様」と書きます。故人そのものを指すときは「ご尊父様のご逝去」「ご尊父様の訃報」のように、後ろの言葉に気をつけます。
- Q. 義理のお父さんのことを相手に話すときも「ご尊父」ですか?
- 相手の義理の父にも、同じ敬称を使います。相手の妻の父なら、より限定した「ご岳父」も使えます。会話では「お義父様」と言うのが自然です。
- Q. 自分の父をご尊父と言ってもいいですか?
- 言いません。ご尊父は相手の父を敬う言葉なので、自分の父は「父」「実父」と言います。
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出典・参考
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