義父とは?読み方・意味・親等
更新:2026-10-28

義父(ぎふ)とは、結婚した相手の父のことです。妻から見ても夫から見ても、相手の父は「義父」で、民法でいう姻族の1親等にあたります。この記事では、読み方、舅・養父・継父との違い、呼びかけや手紙での使い方を順に説明します。
早見表ひと目でわかる答え
| あなたから見て | 呼び方(読み) | 親等 | 種類 | 民法上の親族 |
|---|---|---|---|---|
| 妻の父 | 義父(ぎふ) 舅(しゅうと)・義理の父 | 1親等 | 姻族 直系 | ○ |
| 夫の父 | 義父(ぎふ) 舅(しゅうと)・義理の父 | 1親等 | 姻族 直系 | ○ |
親等・種類は「親・子・兄弟・配偶者」の道筋から計算しています(決め方)。
家系図でたどる
自分通り道義父丸の数字=親等
配偶者の側(姻族)配偶者のお父さん=義父
義父の意味
義父は、あなたの配偶者の父親を指す言葉です。男性なら「妻の父」、女性なら「夫の父」です。「嫁の父」「旦那の父」という検索のされ方もありますが、どれも同じ人をさしています。
もう少し広く、血のつながりがない父親全般を「義父」と書くこともあります。たとえば、親が再婚して新しく父になった人(継父)や、養子縁組で父になった人(養父)です。このページでは、中心となる「配偶者の父」の意味で説明します。
法律の言葉では、配偶者の血のつながった親族を「姻族(いんぞく)」といいます。義父は姻族の中でいちばん近い「1親等」です。配偶者は自分と同じ数え方をするので、配偶者から見て父は1親等、そのまま自分から見ても義父は1親等になります。
姻族のうち3親等までが民法上の「親族」です。義父はその範囲に入ります。ただし、相続や扶養など個別のことは事情で変わるので、必要なときは弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に相談してください。
- 妻の父:夫から見た義父
- 夫の父:妻から見た義父
- 親等:姻族1親等(直系・尊属)
- 血のつながり:ない(結婚によって生じる関係)
漢字の書き分けと読み方
「義父」の読みは「ぎふ」です。「義」には「血はつながっていないが、決まりや約束によって結ばれた関係」という意味があり、義兄・義母など、結婚でできた親族の名前に広く使われます。
別の言い方として「舅」があり、「しゅうと」と読みます。とくに「夫の父」をさす昔からの言葉で、「姑(しゅうとめ)」と対になります。現在は話し言葉では「義父」「お義父さん」が一般的です。
- 義父(ぎふ):配偶者の父。養父・継父を含めて使う場合もある
- 舅(しゅうと):主に夫の父。やや古風な言い方
- 義理の父(ぎりのちち):話し言葉で「義父」と同じ意味
- 岳父(がくふ):主に妻の父をさす改まった書き言葉
- お義父さん:本人に向かって呼ぶときの言い方
「岳父」という言葉は、手紙やスピーチなど改まった場面で見かけます。日常では使いませんが、結婚式の挨拶文で目にすることがあるので、読みと意味だけ知っておくと安心です。
書くときの注意として、「義父」と「義母」を合わせて言いたいときは「義父母(ぎふぼ)」「義理の両親」と書きます。「義親」という言葉もありますが、あまり使われません。
親等の数え方
- 妻の父:配偶者から見て父にあたる人で、配偶者から1世代さかのぼった直系の先祖です。 姻族は配偶者と同じ数え方なので、あなたから見て姻族1親等です。
- 夫の父:配偶者から見て父にあたる人で、配偶者から1世代さかのぼった直系の先祖です。 姻族は配偶者と同じ数え方なので、あなたから見て姻族1親等です。
親等は、民法726条の決まりにしたがって、共通の祖先までさかのぼる世代の数と、そこから下がる世代の数を足して数えます。くわしくは親等とは・数え方と親等表へ。
会話・手紙での呼び方
呼びかけの言葉は、家庭によってちがいます。いちばん多いのは「お義父さん」です。結婚した直後は少しかしこまった感じがするかもしれませんが、相手の前で名前だけを呼ぶより、ていねいで通じやすい言い方です。
- 本人に呼びかける:「お義父さん、お元気でしたか」
- 親しくなってから:「お父さん」と呼ぶ家も多い(相手が喜ぶ場合に限る)
- 孫がいる家:「おじいちゃん」と、子どもの目線で呼ぶ家もある
他の人に話すときは「義父」を使うと失礼がありません。たとえば会社で「義父が入院しまして」と話せば、自分の身内の話として自然に聞こえます。「妻の父」「夫の父」と言うこともでき、状況をはっきり伝えたいときに向いています。
相手の義父を話題にするときは、敬称を付けます。「〇〇さんのお義父さま」「ご岳父さま」のようにします。自分の義父には敬称を付けず、相手の義父には付ける、という使い分けです。
手紙や年賀状では、次のような書き方があります。年賀状の宛名には「義父」とは書かず、お名前を書くのがふつうです。
- 自分の手紙の本文:「義父は元気にしております」
- 相手へのお見舞い:「お義父さまのご容体はいかがでしょうか」
- 喪中はがきの続柄:配偶者の父なら「義父」と書き、名前と享年を添える形が一般的
法事や葬儀では、会葬礼状や喪中はがきに続柄を書くことがあります。迷ったときは、葬儀社や家の年長者に確かめると安心です。香典の金額や忌引きの日数は、会社や地域で違うので、ここでは触れません。
よくある間違い
- 「義父」と「養父」を同じ意味だと思ってしまう。義父は結婚相手の父、養父は養子縁組でできた父のことで、もとになる関係が違います。
- 夫の父だけが義父だと思い込む。妻の父も、夫から見れば同じ「義父」です。性別に関係なく、配偶者の父がすべて義父です。
- 姻族の義父を、血族のように「親等のない人」と考える。義父は姻族1親等で、親族の範囲に入ります。
- 相手に向かって「義父」と呼びかけてしまう。「義父」は人に説明するときの言葉で、本人には「お義父さん」「お父さん」と呼びます。
- 配偶者が亡くなると義父との関係も自動的に切れると考える。姻族の関係は、配偶者の死だけでは当然には終わらないと説明されています。
義父・養父・継父の違い
似た言葉が3つあるので、できた理由で整理しておきます。
| 言葉 | できたきっかけ | 例 |
|---|---|---|
| 義父 | あなたの結婚 | 妻の父、夫の父 |
| 養父 | あなたが養子になった | 養子縁組で親になった人 |
| 継父 | あなたの親の再婚 | 母の再婚相手 |
同じ人が、立場によって複数の呼び名を持つこともあります。たとえば、母の再婚相手があなたの「継父」で、その人の実の娘と結婚すれば、結婚相手から見ると自分の「実父」にあたり、あなたから見ると「義父」にもなります。家族のかたちはさまざまなので、公的な書類では続柄をよく確かめてください。
「お義父さん」と呼ぶまでの小さな工夫
結婚して間もないころは、義父を何と呼ぶか迷う人が多いようです。そんなときは次の順で考えると、無理がありません。
- 最初は配偶者にならって「お義父さん」と呼ぶ
- 相手が名前で呼ばれることを望んでいるかどうか、様子を見る
- 子どもが生まれたら、子どもの呼び方にそろえて「おじいちゃん」と呼ぶ
- 呼び方を変えたいときは、一言「これからはお父さんと呼んでもいいですか」と伝える
呼び方に正解はなく、家族の間で自然に決まっていくものです。大事なのは、相手が気持ちよく聞ける言い方を選ぶことです。
姻族1親等の数え方
民法の親等の数え方では、配偶者と自分を同じ立場として扱います。配偶者の父は、配偶者から見ると親子で1世代さかのぼるだけなので1親等。自分から見ても同じ数になり、血族ではなく姻族として「1親等」と数えます。
なお、配偶者自身には親等がありません。血族でも姻族でもない特別な立場の親族とされています。義父は、その配偶者を通じてつながる、いちばん近い姻族の一人です。
自分の側と相手の側で変わる呼び方の早見表
同じ「お父さん」でも、誰の父なのか、誰に話すのかで言葉が変わります。結婚の挨拶や手紙の前に、次の表で確かめておくと迷いません。
| 誰の父か | 自分が人に話すとき | 相手の父を話題にするとき |
|---|---|---|
| 自分の父 | 父 | お父さま、お父上 |
| 配偶者の父(義父) | 義父、妻の父、夫の父 | お義父さま、ご岳父さま |
| 友人の義父 | (話題にしない) | 〇〇さんのお義父さま |
同じ場にいる家族に向けては、実の父を「父」、義父を「義父」と言い分けるのが基本です。ただし、家族の食卓などでは、子どもに合わせて「おじいちゃん」と言っても失礼にはなりません。
家族の場面で使う例
義父の呼び名がとくに大切になるのは、あらたまった場面です。例文を挙げます。
- 結婚のあいさつ:「お義父さん、娘さんとの結婚をお許しいただき、ありがとうございます」
- 結婚式のスピーチ(新郎側が義父を紹介するとき):「新婦のお父さま、これからは義父として頼らせてください」
- 病院や学校で:「義父が付き添いで来ております」
- 会社に休みを伝えるとき:「妻の父の法要があり、お休みをいただきたいです」
- 年賀状の添え書き:「お義父さまもどうぞお体を大切に」
忌引きの対象になるかどうか、何日休めるかは会社の決まりで違います。この図鑑では日数を示さないので、勤め先の規則を確かめてください。
義父の家族を表す言葉
義父の周りにいる人たちの呼び名も、あわせて覚えておくと便利です。いずれも「配偶者の父の家族」という道筋で説明できます。
- 義父の妻(配偶者の母):義母(ぎぼ)。姻族1親等
- 義父の父母(配偶者の祖父母):義理の祖父・祖母。姻族2親等
- 義父の兄(配偶者の伯父):義理の伯父。姻族3親等
- 義父の弟(配偶者の叔父):義理の叔父。姻族3親等
このうち3親等までが、民法上の親族です。さらに遠い人(義父のいとこなど)は3親等をこえるため、親族の範囲には入りません。
義父と義母をまとめて呼ぶとき
ふたりをまとめて言う場面は意外に多くあります。話し言葉では「義理の両親」「義父母」がよく使われ、昔風には「舅姑(しゅうとしゅうとめ)」とも言います。家そのものをさして「義実家(ぎじっか)」と言う人もいますが、これは日常会話の言葉で、手紙や公的な書類では「妻の実家」「夫の実家」と書くほうが無難です。
- 会話:「義理の両親と旅行に行きます」
- 手紙:「ご両親さまによろしくお伝えください」(相手の義父母ではなく、相手のご両親に向けて)
- 書類:続柄の欄には「義父」「義母」と個別に書く
ふたりそろって呼びかけるときは「お義父さん、お義母さん」と順に呼べば足ります。まとめた呼び名は、本人たちを前にしては使わないのがふつうです。
義父の兄弟・親戚を何と呼ぶか
義父の兄は、配偶者から見ると「伯父」、あなたから見ると「義理の伯父」にあたります。弟なら「義理の叔父」です。会話では「妻の伯父」「夫の叔父」のように、道筋で言えば通じます。
本人に呼びかけるときは「伯父さん」「叔父さん」、名前の呼び捨ては避け、名字に「さん」を付ける家もあります。ここも家の習慣しだいですので、配偶者に聞いておくと安心です。
名前・続柄を書く書類で迷ったとき
学校の緊急連絡先、病院の同意書、保険の書類などでは、続柄の欄に「義父」と書くことがあります。たとえば、緊急連絡先として妻の父を書くなら「妻の父」ではなく、あなたを基準にした続柄「義父」と書くのが通じやすい書き方です。
ただし、欄の指定が「配偶者の父」「その他( )」など別の形になっていることもあります。その場合は指定に従い、空欄には「義父(妻の父)」のように補うと誤解がありません。
続柄の書き方は書類ごとに決まりがあるので、迷ったら提出先に確かめてください。この図鑑では、続柄の書き方の一般的な例を示すにとどめます。
義父の関係が続く場面と終わる場面
姻族関係は、離婚や婚姻の取消しで終わります。一方、配偶者が亡くなっても、自動的にはなくなりません。終わらせるには、役所に姻族関係終了届を出す手続きが必要だと説明されています。
どちらの場合も、個別の事情で手続きが変わることがあります。くわしいことは、専門家や役所の窓口に相談してください。
よくある質問
- Q. 義父は何親等ですか?
- 姻族の1親等です。配偶者の父は、配偶者から1世代さかのぼった直系の先祖で、配偶者と同じ数え方をするため、あなたから見ても1親等になります。3親等内の姻族は民法上の親族に入ります。
- Q. 義父の敬称はどう書けばよいですか?
- 自分の義父には敬称を付けず「義父」と書きます。相手の義父には「お義父さま」「ご岳父さま」のように敬称を付けるのが一般的です。手紙の宛名では、続柄ではなくお名前に「様」を付けます。
- Q. 妻の父、夫の父、嫁の父、旦那の父はどれも義父ですか?
- はい。夫から見た妻の父、妻から見た夫の父、どちらも義父です。「嫁の父」「旦那の父」は話し言葉の言い方で、意味は同じです。
- Q. 義父と舅は同じですか?
- 近い意味ですが、舅(しゅうと)は主に夫の父をさす古風な言い方です。義父のほうが広く使われ、妻の父もふくみます。会話や文章では義父、お義父さんがふつうです。
- Q. 義父の「義」は血がつながっていないという意味ですか?
- はい、結婚などの決まりごとによって生まれた関係を表す字です。義父は、結婚した相手の父として、生まれつきではなく結婚で関係ができた父をさします。血縁がないことが、不仲という意味にはなりません。
- Q. 義父の兄弟は何親等ですか?
- 義父の兄弟は、配偶者から見ると伯父・叔父で3親等の血族です。あなたから見ると3親等の姻族になり、民法上の親族の範囲に入ります。
- Q. 義父を何と呼べばよいですか?
- 本人には「お義父さん」が無難です。親しくなって相手が望めば「お父さん」と呼ぶ家もあります。人に話すときは「義父」「妻の父」「夫の父」を使います。
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出典・参考
相続・扶養・戸籍など個別の手続きや判断は、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家にご相談ください。