共有XLINEFacebookThreads

尊属・卑属とは?意味・読み方・使い方

更新:2026-10-28

尊属・卑属のイメージ

尊属(そんぞく)とは、親・祖父母・おじ・おばなど、自分より前の世代にあたる血族のことです。卑属(ひぞく)とは、子・孫・おい・めいなど、自分より後の世代にあたる血族のことです。兄弟姉妹やいとこは同じ世代なので、尊属でも卑属でもありません。

尊属・卑属の意味

尊属と卑属は、血族を「世代の前後」で分けた言い方です。あなたを基準にして、世代が上の人が尊属、下の人が卑属、同じ世代の人はどちらにも入りません。「尊い」「卑しい」という字が使われていますが、人の価値に上下をつける意味ではなく、世代の順番を表す法律上の言葉です。

区分あなたから見た例
直系尊属父母、祖父母、曽祖父母
傍系尊属おじ・おば、大おじ・大おば
同世代(どちらでもない)兄弟姉妹、いとこ、はとこ
直系卑属子、孫、ひ孫
傍系卑属おい・めい、いとこの子

ここに直系・傍系を組み合わせて、「直系尊属」「傍系尊属」「直系卑属」「傍系卑属」と呼びます。直系尊属は親・祖父母のように縦にまっすぐのぼる先祖、傍系尊属はおじ・おばのように先祖の世代にいる、枝分かれした人です。

ポイントは、親等の数字ではなく世代で決まることです。おじ(3親等)は尊属ですが、兄弟(2親等)は尊属ではありません。いとこ(4親等)も同世代なので、尊属でも卑属でもありません。年齢も関係なく、年下のおじ・おばでも、世代が上なら尊属です。

この区分は、ふつう血族について使われます。配偶者の親などの姻族については、この言葉で整理しないのが一般的です。たとえば民法には、尊属や年長者を養子にすることはできないという規定(793条)があるなど、条文の中に出てくる言葉です。現在の実生活では、日常でこの言葉を耳にする機会は多くありません。

漢字の書き分けと読み方

「尊属」は「そんぞく」、「卑属」は「ひぞく」と読みます。「卑属」は「ひぞく」で、「ひしょく」とは読まないので注意しましょう。「尊属」の「尊」は「たっとい」、「卑属」の「卑」は「いやしい」と訓読みしますが、この言葉では世代の前後を表す字として使われているだけです。

「尊属」「卑属」は、家系図の説明や、法律の文書で見かける言葉です。逆に、手紙や会話では使いません。「親や祖父母」「子や孫」のようにそのまま言うほうが自然で、相手にも伝わります。

日常で親や先祖を表すには「先祖」「親」「祖先」を使い、子孫は「子孫」「後裔(こうえい)」などと言います。なお、法律の言葉の「尊属」「卑属」を、人間関係の優劣と受け取らないようにしましょう。

会話・手紙での呼び方

尊属・卑属は説明用の言葉で、呼びかけには使いません。親戚の集まりでは、普段どおり「おじさん」「おばあちゃん」「いとこの○○ちゃん」と呼びます。

  • 呼びかけ:尊属・卑属では呼びかけません。普段の呼び名を使います。
  • 人に話すとき:「直系の先祖」「世代が上のおじ・おば」のように、できるだけふつうの言い方に置きかえます。
  • 書くとき:家系図の注や、親族の範囲の説明では、「直系尊属」「直系卑属」と書くこともあります。
  • 弔事・慶事:案内の範囲を考えるとき、「親や祖父母(尊属)を中心に」のように目安にする家もありますが、決まりではありません。

家族の中では、世代が上の人への敬意と、年上・年下の感覚が違うことがあります。年下のおじ・おばに「さん」を付けて呼ぶか、名前で呼ぶかなどは、その家の習慣で決めて問題ありません。

よくある間違い

  • 兄弟姉妹を尊属または卑属だと思う間違いです。兄弟姉妹は同じ世代なので、どちらでもありません。
  • 年上かどうかで尊属を決める間違いです。尊属は世代で決まり、年齢は関係ありません。年下のおじでも尊属です。
  • いとこを尊属に入れる間違いです。いとこは同世代なので、尊属でも卑属でもありません。
  • 尊属・卑属を直系と同じ意味だと思う間違いです。おじ・おばは傍系ですが尊属、子は直系で卑属と、直系・傍系とは別の分け方です。
  • 「尊い」「卑しい」の字から人の価値の上下だと受け取る間違いです。世代の前後を表す法律上の言葉で、人の価値とは関係ありません。

尊属・卑属の早見:あなたから見て

迷いやすい人を、あなたから見た位置で整理します。縦に「世代」、横に「直系・傍系」を並べると次のようになります。

世代直系傍系
曽祖父母の世代曽祖父母(尊属)曽祖父母の兄弟(尊属)
祖父母の世代祖父母(尊属)大おじ・大おば(尊属)
親の世代父母(尊属)おじ・おば(尊属)
自分の世代自分兄弟姉妹・いとこ(どちらでもない)
子の世代子(卑属)おい・めい(卑属)
孫の世代孫(卑属)いとこの子(卑属)

一番上の行と下の行を見比べると、尊属は上の世代、卑属は下の世代と分かります。自分と同じ行にいる人は、どちらでもありません。

「親等」との関係を例で確認

おじ・おばは3親等の傍系尊属、おい・めいは3親等の傍系卑属です。同じ3親等でも、世代が逆になります。祖父母は2親等の直系尊属、孫は2親等の直系卑属です。兄弟姉妹は同じ2親等でも、同世代なので尊属・卑属には入りません。

親等の数え方そのものは、親等のページで例つきで説明しています。尊属・卑属は、数えた親等に「世代の向き」を加えるイメージです。

法律でこの言葉が出てくる場面

民法では、養子縁組を結べない相手の説明などに「尊属」「卑属」が出てきます。尊属・卑属という言い方は古い感じがするという意見もありますが、今のところ法律の言葉として使われています。具体的な手続きや判断が必要な場合は、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家や、提出先の案内で確かめてください。

よくある質問

Q. 尊属とは何ですか?
自分より前の世代の血族です。父母、祖父母、曽祖父母のほか、おじ・おばも尊属にあたります。
Q. 卑属とは何ですか?
自分より後の世代の血族です。子、孫、ひ孫のほか、おい・めいも卑属です。
Q. 尊属・卑属の読み方は?
尊属は「そんぞく」、卑属は「ひぞく」と読みます。
Q. 尊属と卑属の違いは?
世代の前後です。自分より上の世代が尊属、下の世代が卑属で、兄弟姉妹やいとこのような同じ世代の人はどちらにも入りません。
Q. 兄弟は尊属ですか?
いいえ。兄弟姉妹は自分と同じ世代なので、尊属でも卑属でもありません。年齢が上でも同じです。

関連する呼び方

出典・参考

相続・扶養・戸籍など個別の手続きや判断は、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家にご相談ください。

▲上へ