共有XLINEFacebookThreads

伯父と叔父・伯母と叔母の違いと覚え方

公開:2026-10-16 更新:2026-10-28

伯父と叔父

結論:親から見て兄・姉なら「伯」、弟・妹なら「叔」

「おじ」「おば」と読む漢字には、伯父・叔父、伯母・叔母の2通りがあります。違いは、あなたの父や母から見て、その人が年上のきょうだいか、年下のきょうだいかです。父や母の兄・姉には「伯」の字を使い、父や母の弟・妹には「叔」の字を使うのが一般的な書き分けです。

たとえば「父の兄」は伯父、「父の弟」は叔父です。「母の姉」は伯母、「母の妹」は叔母です。あなた自身との年の差は関係ありません。父の兄があなたより年下ということは普通はありませんが、仮にそうでも、父の兄なら伯父と書きます。

読みは、どれも「おじ」「おば」です。伯父と叔父は声に出すと区別がつきません。違いが出るのは、年賀状や手紙、家系図、名簿など、文字で書く場面だけです。コトバンクに収録されている国語辞典の解説でも、父母の兄には「伯父」、弟には「叔父」の字を用いると説明されています。

あなたから見て書き方読み親等
父の兄伯父おじ3親等
父の弟叔父おじ3親等
母の兄伯父おじ3親等
母の弟叔父おじ3親等
父の姉伯母おば3親等
父の妹叔母おば3親等
母の姉伯母おば3親等
母の妹叔母おば3親等

どの行も、親等は3親等の血族です。父方でも母方でも、おじ・おばは同じ3親等になります。

「伯」と「叔」の字に込められた意味

なぜこの2文字なのか。昔の中国では、きょうだいの順番を「伯・仲・叔・季」の字で表しました。伯が一番上、仲が二番目、叔が三番目、季が末っ子という並びです。このうち、一番上を表す「伯」が兄や姉の側に、それより下を表す「叔」が弟や妹の側に使われるようになった、というのが一般的な説明です。

ですから、親にきょうだいが3人以上いて、真ん中にあたる人がいても、親より年上なら伯、年下なら叔と書き分けるのがふつうです。「仲父」「仲母」といった字を使う家もゼロではありませんが、現代の手紙や年賀状ではほとんど見かけません。迷ったら「親より上か下か」の2択で考えれば足ります。

覚え方:字の形で覚える3つのコツ

  • 伯は「白」が入っています。白髪が先に生えるのは年上、と結びつけると「伯=年上」と覚えられます。
  • 叔の右側は「又」で、子ども、つまり若い人のイメージとつなげると「叔=年下」と覚えやすくなります。(字源としての説明ではなく、覚えるための語呂です)
  • 「はく」と「しゅく」の音で覚える方法もあります。伯仲(はくちゅう)は力が互角という意味で、最初に来る字は「伯」。順番の先頭は伯、と覚えます。

どれも語呂合わせですので、自分に合うものを一つ選んで使えば十分です。もっとも確実なのは、書く前に「これは親の兄か姉か、弟か妹か」を一度考えることです。

父方と母方で書き分けは変わるのか

変わりません。父方でも母方でも、基準は「あなたの親(父または母)から見て年上か年下か」です。父の兄は伯父、母の兄も伯父。父の妹は叔母、母の妹も叔母です。

ただし、家族の中でどちらの側かを区別したいときは、「父方の伯父」「母方の叔母」のように頭に付けます。また、親戚が多い家庭では「大阪の伯父」「札幌の叔母」のように、住んでいる場所で呼び分けることもよくあります。

おじ・おばの配偶者はどう書くか

結婚によって親戚になった人も、「おじ」「おば」と呼びます。父の姉の夫は伯父、母の弟の妻は叔母になります。基準は、配偶者本人の年齢ではなく、あなたの親から見て「血のつながったきょうだい」が年上か年下かです。

あなたから見て書き方血族か姻族か
父の姉の夫伯父姻族(3親等)
父の妹の夫叔父姻族(3親等)
母の兄の妻伯母姻族(3親等)
母の弟の妻叔母姻族(3親等)

血のつながったおじ・おばは「血族」、その配偶者は結婚でつながった「姻族(いんぞく)」です。どちらも3親等ですが、種類が違います。血族と姻族の違いは、別のコラムで詳しく扱っています。

たとえば、母の兄(伯父)の奥さんは、伯父の妻ですから「伯母」と書きます。その人が母より年下であっても、書き分けの基準は母の兄の側にあるので、字は伯です。逆に、母の妹の夫は、その人が母より年上であっても「叔父」と書くのが一般的です。

年が逆転したときの考え方

実際の家族では、年齢が逆転することがよくあります。親のきょうだいが親よりずっと年下で、あなたと年齢が近い、というケースです。母が長女で、母の末の弟があなたと5歳しか違わない、という家は珍しくありません。

このときも、書き分けは母から見た年上・年下で決めます。母の弟なら、あなたより年下であろうと、同い年であろうと「叔父」です。年齢差が大きくない場合は、親戚の中で「ともくん」「ゆきちゃん」のように名前で呼ぶことが多く、書く場面になって初めて伯か叔かを考えることになります。

配偶者が年下の場合も同じです。母の兄が再婚して、あなたより若い奥さんが来た場合でも、その人は母の兄の妻ですから「伯母」と書くのが一般的です。ただ、実際に「おばさん」と呼ぶのに抵抗がある場合は、名前に「さん」を付けて呼んでかまいません。呼ぶときの言葉と、書くときの字は別に考えてよいのです。

きょうだいの年の上下が分からないとき

祖父母の代の話や、親が子どものころに生き別れた親戚など、年の上下がはっきりしないことがあります。そのときは、家族や年配の親戚に聞いてみるのが一番です。聞けない場合は、ひらがなで「おじ」「おば」と書けば、間違いを避けられます。たとえば「おじ様」「おば様」のように、敬称を添えれば手紙としても失礼にはなりません。

名簿や案内状など、公的な書類の字は、本人や家族の希望を優先します。本人が「叔父」と書かれるのを好む家庭もあるため、迷う場合は確認が確実です。

場面別:年賀状・手紙・会話での使い方

  • 年賀状の宛名:「伯父 ○○様」のように続柄を書くのは、家族内の宛名として自然です。ただし、本人あての手紙では続柄は不要で、名前に「様」を付けるのが一般的です。
  • 手紙の書き出し:「伯父上様」「叔母様へ」など、親しい間柄なら柔らかく書けます。改まった文書では、名前に様が無難です。
  • 会話で呼びかける:「おじさん」「おばさん」「おじちゃん」など、字の違いは関係ありません。
  • 他人に話すとき:「私の伯父が」「うちの叔母が」と、読みは同じ「おじ」「おば」で伝えます。年上か年下かまで話す必要はなく、「父の兄」「母の妹」と言い換えれば、より分かりやすくなります。

弔事の連絡など、改まった場でも、読みは「おじ」「おば」です。文章で書く場合に、続柄を間違えないよう注意すれば足ります。個別の儀礼や手続きについては、地域や家のやり方で異なります。必要に応じて葬儀社や身近な年長者に相談してください。

よくある間違いとその直し方

  • 「伯父」と「叔父」を逆にしてしまう:親から見て兄は伯、弟は叔。1回声に出して「兄・弟」と言ってから書くと間違いません。
  • 自分より年上か年下かで決めてしまう:基準はあなたではなく、あなたの親です。
  • おじの妻の年齢で伯母と叔母を決める:配偶者の年は関係なく、おじ本人(親のきょうだい)が親より上か下かで決まります。
  • 父のいとこや祖父の兄弟まで「おじ」と書く:祖父母の兄弟は「大伯父」「大叔父」、親のいとこは「いとこおじ」と呼び分けます。くわしくは語ごとのページで確かめられます。

ミニ練習:次の人は伯?叔?

  • 父は3人きょうだいの真ん中。上に姉、下に弟がいる。姉は伯母、弟は叔父です。
  • 母は一番下の末っ子で、兄が2人いる。兄はどちらも伯父です。母の兄の妻も、どちらも伯母です。
  • 父の妹の夫は、父より年上だった。妹の夫ですから、書くときは叔父です。年上でも、基準は父の妹であることです。

このように、先に「親から見てその人は兄・姉・弟・妹のどれか」を決め、配偶者の場合はそのきょうだいの立場に合わせる。この順番で考えれば、迷うことはほとんどありません。

もう一歩:祖父母の兄弟や、親のいとこは?

祖父の兄は、一般に「大伯父(おおおじ)」、祖父の弟は「大叔父」と書きます。祖母の兄弟も同じ考え方です。これは4親等の血族です。また、親のいとこは「いとこおじ」「いとこおば」と呼ぶことがあり、これは5親等にあたります。どちらも、基準は「その人の親、つまり祖父母から見て上か下か」という点で、おじ・おばと変わりません。

よくある質問

Q. 伯父と叔父はどちらが年上ですか。
伯父は父母の兄、叔父は父母の弟にあたります。あなたの親より年上のきょうだいが伯父、年下のきょうだいが叔父です。
Q. 伯父と叔父は読みも違いますか。
どちらも「おじ」と読みます。伯母・叔母も同じく「おば」です。違いは書くときの字だけです。
Q. 母の兄の奥さんは何と書きますか。
母の兄の妻は「伯母」と書くのが一般的です。奥さんの年齢ではなく、母の兄が母より年上であることで決まります。
Q. 親のきょうだいが自分より年下なら叔父ですか。
親のきょうだいが親より年下なら、あなたより年下でも叔父・叔母です。親から見て弟か妹かで決まります。
Q. 迷ったらどう書けばよいですか。
ひらがなで「おじ」「おば」と書けば間違いにはなりません。改まった書類では、本人や家族に確認すると安心です。

相続・扶養・戸籍など個別の手続きや判断は、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家にご相談ください。

関連する呼び方

出典・参考

ほかのコラム

▲上へ