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親族と親戚の違い どこまでが親族?

公開:2026-10-16 更新:2026-10-28

親族と親戚

結論:親族は法律の言葉、親戚は日常の言葉

「親族」は民法が範囲を決めている言葉です。「親戚」は、ふだんの暮らしで使う言葉で、法律のような決まった線引きはありません。親戚は「血縁や婚姻でつながりのある人たち」というゆるやかな意味で、どこまでを親戚と考えるかは、人や家によって違います。

Wikipedia の「親族」の項目でも、親戚・親類・縁戚は親族の別称として使われることがあるが、法律上の親族には範囲が定められており、親戚であっても親族から外れる「遠い親戚」がありうる、と説明されています。会話では混ぜて使ってもかまいませんが、書類や手続きの場面では、親族の範囲が重要になります。

親族親戚
使われる場面法律・書類・公式な文章日常の会話・つきあい
範囲民法725条で決まっている決まりなし(人や家で違う)
例6親等内の血族など「うちの親戚」「遠い親戚」

民法725条が定める親族の範囲

民法725条は、親族の範囲を次の3つと定めています(e-Gov 法令検索で確認できます)。条文は「次に掲げる者は、親族とする」とし、「六親等内の血族」「配偶者」「三親等内の姻族」を挙げています。

  • 6親等内の血族:血のつながりのある人のうち、6親等までの人。
  • 配偶者:夫または妻。
  • 3親等内の姻族:配偶者の血族、または血族の配偶者のうち、3親等までの人。

血族とは、血縁でつながる人たちのことです。養子縁組で法律上の親子になった人も、血族として扱われます(法定血族)。姻族とは、結婚によってつながった人たちで、配偶者の血族や、自分の血族の配偶者を指します。くわしい違いは、別のコラム「血族と姻族・直系と傍系・尊属と卑属」で整理しています。

親族に入る人の早見表(血族)

親等血族の例
1親等父母・子
2親等祖父母・孫・兄弟姉妹
3親等曾祖父母・曾孫・おじ・おば・甥・姪
4親等いとこ・大おじ・大おば・姪孫(姪の子)・玄孫
5親等いとこおじ・いとこおば・いとこの子・曾姪孫・来孫
6親等はとこ・祖父母のいとこ・いとこの孫・昆孫

血族については、はとこ(祖父母のきょうだいの孫)までが親族の範囲です。親戚の集まりに来るような、いとこやその子どもは、ほぼ全員が範囲に入ります。逆に、範囲の外に出るのは、はとこの子(7親等)、みいとこ(8親等)のように、かなり遠い関係の人です。

姻族は3親等まで:範囲の外にはどんな人がいる?

姻族は、血族よりずっと範囲が狭くなっています。配偶者の血族(配偶者から見た3親等まで)と、血族の配偶者が対象です。

範囲に入る姻族親等
配偶者の父母(義父・義母)1親等
子の配偶者(嫁・婿)1親等
配偶者の祖父母・兄弟姉妹2親等
兄弟姉妹の配偶者(義兄・義姉など)2親等
配偶者のおじ・おば・甥・姪3親等
おじ・おばの配偶者、甥・姪の配偶者3親等

一方で、範囲の外に出るのは次のような人です。

  • 配偶者のいとこ(4親等の姻族)
  • いとこの配偶者(4親等の姻族)
  • 妻の姉の夫・妻の妹の夫など、妻のきょうだいの配偶者(相婿・相嫁。血縁も姻族にも入らない親族外)
  • 子の配偶者の親、いわゆる「親同士」(決まった呼び名もなく、法律上の親族でもありません)

親同士の関係は、結婚式のあと「親戚づきあい」の関係になりますが、法律上の親族には含まれません。日常の親戚と、法律の親族のずれは、ここにも現れます。

継親子・養親子は親族に入る?

父母の再婚相手(継父・継母)は、現在の民法では、血族ではなく姻族として扱われます。親等は1親等の姻族です。いっぽう、養子縁組をした養親子は、法定血族として血族に含まれます。ただし、Wikipedia の解説によると、養子の血縁上の親族と養親の血族の間には、血族関係は生じません。また、特別養子の場合は、実の親との関係が終了します。

継子や連れ子の扱いなど、個別のケースで法律上どうなるかは、家族の状況で変わります。具体的な判断が必要なときは、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家に相談してください。

離婚すると姻族はどうなる?

民法728条は、姻族関係は離婚によって終了すると定めています。たとえば、離婚した元の配偶者の父母は、血族でない限り、親族ではなくなります。また、配偶者が亡くなった場合には、残された側が意思を表示することで関係を終了させる規定もあります(同条2項)。親族が減っても、親しいつきあいが続くかどうかは別の話です。

言葉づかいの使い分け:場面別の例

  • 結婚式:「親族紹介」「親族代表」は、式の形式に沿った言い方です。席次表に載るのは親族に限りませんが、一般に両家の近い親戚が中心になります。
  • 葬儀・法事:「親族一同」という表現が多く、遠い親戚は別に「ご親戚」と呼ばれることもあります。範囲は家のやり方で決まります。
  • 年賀状・手紙:「親戚一同」「ご親族の皆様」。日常的な挨拶では、混ぜて使っても問題ありません。
  • 書類・申込書:「親族」の条件が付くことがあり、そのときは定義(何親等まで、など)を確認します。

ご自身が困りやすいのは、書類に「親族」とだけ書かれていて、範囲が示されていない場合です。そのときは、書類を出す側に問い合わせるのが確実です。家族でも、親族の範囲を数字で数える機会は多くないため、迷うのは当然です。

似た言葉との違い:家族・身内・一族・縁戚

親族まわりの言葉は、似たものがたくさんあります。法律用語ではありませんが、使い分けの目安を整理しておきます。

言葉ふつうの使い方法律上の位置づけ
家族一緒に暮らす人、またはごく近い人民法の「親族」の一部分と重なる(決まった定義は場面で異なる)
身内自分の側の人。近い親戚や仲間にも使う決まった定義なし
親戚・親類血縁や婚姻でつながる人決まった定義なし。親族の別称として使われることもある
縁戚結婚によってつながった親戚の意味で使われやすい決まった定義なし
一族同じ家系につながる人の集まり決まった定義なし
親族6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族民法725条で範囲が決まっている

「親族」だけが範囲を厳密に定められた言葉で、そのほかは文脈によって意味が少しずつ変わります。そのため、案内状のあいさつでは、「親戚一同」と書いても「親族一同」と書いても間違いではありません。ただし、申込書の「親族」欄などは、定義に従います。

ケースで確認:この人は親族に入る?

  • 母方の祖父の弟:4親等の血族(大叔父)で、親族に入ります。
  • いとこの妻:いとこの配偶者は4親等の姻族で、親族に入りません。
  • 妻から見た「夫の兄の妻」(相嫁):配偶者の血族の配偶者にあたり、親族外です。
  • 自分の姪の夫:姪は3親等の血族、その配偶者は3親等の姻族で、親族に入ります。
  • 父の再婚相手:継母。姻族の1親等で、親族に入ります。

どの場合も、まず「血族か姻族か」を決め、次に親等を数える、という順番は同じです。上の例に迷いがあれば、このサイトの語ごとのページで、あなたから見た道筋を確かめることができます。

親族の範囲を知っておくと役立つ場面

親族の範囲は、日常ではめったに意識しませんが、書類を書く、結婚や養子縁組を考える、家族の大きな行事を計画する、といった節目で必要になります。たとえば結婚では、民法734条により、直系血族または3親等内の傍系血族とは結婚できません。いとこ(4親等)は、この規定の対象外です。

行事では、「親族の範囲」と「声をかける範囲」は別の話です。法律の線とは関係なく、招く人の範囲は、家のつきあい方や、会場の広さで決まります。法律上の親族だから必ず呼ぶ、親族でないから呼ばない、というものでもありません。

親族の範囲に入る・入らないの確かめ方

  • ステップ1:相手が血縁の人(血族)か、結婚でつながった人(姻族)かを分ける。
  • ステップ2:血族なら親等を数えて6以内か確かめる。姻族なら配偶者側の親等で3以内かを確かめる。
  • ステップ3:配偶者本人は常に親族。ただし、離婚すれば親族ではなくなります。

親等の数え方は、別のコラム「親等の数え方を例題で練習」にまとめています。この記事の早見表で確かめて、数が合わなければ、その例題で道筋をたどってみてください。

なお、親族に当たるかどうかで結論が変わる場面(相続や扶養、戸籍の手続きなど)は、個別の事情に左右されます。この記事は一般的な説明にとどまります。

よくある質問

Q. 親族と親戚の違いは何ですか。
親族は民法725条が範囲を定めた法律上の言葉で、親戚は日常で使うゆるやかな言葉です。親戚でも親族に入らない人はいます。
Q. 親族は何親等までですか。
6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族です。はとこ(6親等)までの血族と、配偶者の兄弟姉妹やおじ・おば(3親等以内)までが含まれます。
Q. いとこは親族ですか。
はい。いとこは4親等の血族ですので、民法725条の親族の範囲に入ります。
Q. 義理の両親は親族ですか。
はい。配偶者の父母は1親等の姻族で、3親等内の姻族として親族に含まれます。
Q. 親戚と親類、縁戚は違いますか。
日常ではほぼ同じ意味で使われ、どれも法律用語ではありません。法律上の範囲を言うときは「親族」を使います。

相続・扶養・戸籍など個別の手続きや判断は、弁護士・司法書士・行政書士などの専門家にご相談ください。

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出典・参考

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